top of page

農業の人手不足、採用だけで解決できる?令和6年調査から考える「人が集まりやすい経営」


農業経営において、人手不足は大きな経営課題になっています。

求人を出しても応募が集まらない。ようやく採用しても、農作業を覚えてもらうまでに時間がかかる。経験者を募集しても、そもそも候補者がほとんどいない。

こうした状況では、単純に「採用人数を増やす」だけで人手不足を解消することは難しくなります。

そこで考えたいのが、どのような人を採用するかだけではなく、どのような人でも働きやすい農場にできるかという視点です。

農林水産省の「令和6年新規就農者調査結果」を見ると、農業経営体に新たに雇用された人の経歴は、必ずしも農業経験者ばかりではありません。

むしろ、農業以外の仕事から農業へ転職してきた人が大きな割合を占めています。


■新たに農業へ雇用された人で最も多いのは「異業種からの転職」


令和6年新規就農者調査では、農業経営体へ新たに雇用された人について、雇用される前の就業状態が公表されています。

主な内訳は次のとおりです。

  • 農業以外に勤務:7,310人

  • 農業法人等に勤務:1,740人

  • 学生:1,640人

  • 自営農業:1,060人

  • 家事・育児・その他:820人

  • 農業以外の自営業:410人

最も多いのは「農業以外に勤務」していた人です。

つまり、農業法人などへ新しく入ってくる人材の中には、これまで一般企業などで働いていた異業種からの転職者が相当数存在することが分かります。

農業経験者だけを探そうとすると、採用できる人材の範囲を大きく狭めてしまう可能性があります。

これからの農業経営では、

「経験者を採用する」から「未経験者でも働ける仕組みをつくる」

という発想への転換が必要になってくるでしょう。


■若い人材を確保するうえでも異業種採用は重要

年齢構成を見ると、異業種から農業へ移る人には比較的若い層も多く含まれています。

「農業以外に勤務」していた7,310人のうち、49歳以下は4,580人で、約62.7%です。

また、「農業法人等に勤務」していた1,740人のうち49歳以下は1,350人で、約77.6%となっています。

学生から新たに雇用された1,640人についても、全員が49歳以下です。

一方、「自営農業」から新たに雇用された人では、65歳以上が390人と最も多くなっています。

このように、採用前の就業状態によって年齢構成には違いがあります。

特に若い人材を採用したい農業法人にとっては、農業経験者だけでなく、

  • 一般企業からの転職者

  • 第二新卒

  • 新卒者

  • 農業に関心を持つ異業種人材

などまで採用対象を広げることが重要になります。

※割合は公表された表示値をもとに算出した概算です。


■問題は「未経験者を採れるか」ではなく「採った後に働けるか」

採用対象を広げれば、それだけで人手不足が解決するわけではありません。

異業種から農業へ入ってきた人にとって、農作業には分かりにくい部分が数多くあります。

例えば、

「今日は暑いから、いつもより少し早めに換気する」

「土の状態を見て灌水時間を変える」

「この株の状態なら、この作業を先にする」

といった判断です。

長年農業をしている人にとっては当たり前でも、経験のない人には判断できません。

しかも、その判断基準が経営者やベテラン従業員の頭の中だけにあると、新しく入った人はその都度確認する必要があります。

結果として、人を採用したにもかかわらず、教える側の仕事が増えるという問題が起こります。


■「ベテランしか分からない仕事」を減らす

人材不足への対応では、採用活動と同時に、農場内の仕事そのものを見直す必要があります。

例えば、

  • 作業手順をマニュアル化する

  • 写真や動画を使って作業方法を共有する

  • 作業記録を残す

  • 判断基準を数値化する

  • 担当者による作業方法の違いを減らす

  • 安全管理のルールを明確にする

といった取り組みです。

これは単なるマニュアル作成ではありません。

重要なのは、経験者の勘や記憶に依存している仕事を減らすことです。

仕事が標準化されれば、新しく入った人でも業務を覚えやすくなります。

さらに、担当者が休んだ場合や退職した場合でも、別の人が業務を引き継ぎやすくなります。

人材確保だけでなく、経営の安定性を高めることにもつながります。


■毎日繰り返している作業は、本当に人がやる必要があるのか

もう一つ重要なのが、省力化です。

農業には、人が毎日繰り返している作業が数多くあります。

施設園芸であれば、

  • 灌水

  • 換気窓の開閉

  • カーテンの開閉

  • ハウス内環境の確認

  • 設備の状態確認

などがあります。

もちろん、栽培には人による観察や判断が必要です。

しかし、すべての作業を人が行う必要があるとは限りません。

一定の条件で繰り返している作業については、自動化や遠隔化によって人の負担を減らせる可能性があります。

例えば、これまで毎朝ハウスへ行って操作していた設備を自動化できれば、その時間を生育確認や収穫、品質管理などに使えるようになります。

重要なのは、単純に人を減らすことではありません。

人にしかできない仕事へ、人の時間を振り向けることです。


■採用と省力化はどちらか一方ではない

人手不足への対応というと、

「人を採用する」

あるいは、

「機械やシステムを導入して省人化する」

という二者択一で考えられることがあります。

しかし、実際には両方を進める必要があります。

省力化によって単純作業や繰り返し作業を減らせば、一人当たりの負担を軽減できます。

仕事の標準化を進めれば、未経験者でも仕事を覚えやすくなります。

さらに、労働環境が改善されれば、採用後の人材が働き続けやすくなる可能性もあります。

つまり、

省力化 → 教えやすくなる → 働きやすくなる → 採用できる人材の幅が広がる

という好循環をつくることが重要です。


■人手不足時代には「少人数でも回る経営」をつくる

今後、農業経験者だけを十分に確保し続けることは簡単ではありません。

だからこそ経営者には、

「必要な人数をどう採用するか」

だけでなく、

「必要な人数そのものをどう減らせるか」

という視点も必要です。

例えば、5人必要だった作業を4人で行えるようにする。

ベテランしかできなかった作業を、新人でも担当できるようにする。

毎日人が操作していた設備を自動化する。

こうした小さな改善を積み重ねることで、人材不足に強い農業経営へ近づいていきます。


■まとめ|「人を探す経営」から「人が働ける経営」へ

令和6年新規就農者調査では、新たに農業経営体へ雇用された人のうち、農業以外に勤務していた人が7,310人と最も多くなっています。

農業法人などが今後人材を確保していくためには、農業経験者だけでなく、異業種からの転職者や学生などを受け入れることが重要になります。

そのためには、

  • 未経験者でも理解できる作業手順

  • 業務の標準化

  • 教育しやすい仕組み

  • 働きやすい職場環境

  • 繰り返し作業の省力化・自動化

を同時に進める必要があります。

人手不足への対策は、求人広告を増やすことだけではありません。

限られた人材でも運営でき、未経験者が入っても仕事を覚えられる経営体へ変えていくこと自体が、人手不足対策になります。


GREEN OFFSHOREのご案内

農業の人手不足対策では、採用だけでなく、日々の作業そのものを減らしていくことも重要です。

GREEN OFFSHOREでは、既存の農業ハウスにも後付けしやすいスマート農業ソリューションを提供しています。

灌水や換気窓など、これまで人が行ってきた設備操作を自動化・遠隔化することで、毎日の管理負担を軽減します。

すべての設備を一度に更新するのではなく、既存設備を活用しながら必要な部分から段階的にスマート化することも可能です。

人が繰り返し行っている作業を減らし、栽培管理や品質向上など、より重要な仕事へ時間を使える農場づくりを支援します。

詳しくはGREEN OFFSHORE公式サイトをご覧ください。https://www.greenoffshore.jp/

「GO SWITCH」は、農業向けに特化した自動化サービスです。私たちのサービスを利用することで、効率的な農業管理が可能になります。今すぐ資料請求をして、あなたの農業を次のステージへ進めましょう!サービスページをご覧いただき、詳細をご確認ください。

bottom of page