農業は「毎日ハウスを見に行く」が当たり前?天候対応を省力化する方法

■農業を始めてから気づく「天候対応」という負担
新規就農や異業種からの農業参入では、ハウスや農業機械、灌水設備などの初期投資に目が向きがちです。
しかし、実際に栽培を始めると、設備費とは別の負担が見えてきます。
それが、天候に合わせて人が動かなければならないことです。
朝にハウスを確認し、気温が上がれば換気し、作物の状態を見ながら灌水する。雨が降りそうなら設備を確認し、天候が急変すれば再び圃場へ向かう。
一つひとつの作業は短時間でも、それが毎日続けば大きな負担になります。
特に少人数で農業を始める場合、「作物を管理するために人が現場へ行く」ことそのものが経営上のコストになります。
■1日30分の見回りでも年間では約182時間
例えば、設備の確認や操作のために毎日30分を使っているとします。
単純計算すると、
30分 × 365日 = 182.5時間
です。
1日ではわずか30分でも、年間では約182時間になります。
さらに、
・朝夕2回の確認・ハウスが複数棟ある・圃場まで車で移動する・雨や高温時に追加確認する
といった条件が加われば、実際の負担はさらに増えます。
そのため、農業の省力化を考えるときには、「作業時間」だけではなく、見回りや移動そのものを減らせないかという視点が重要です。
■すべてを自動化する必要はない
ここで重要なのは、最初から高度な環境制御システムを導入することではありません。
まず、「人が現地へ行かなければできない作業は何か」を整理します。
施設園芸では、例えば次のような作業があります。
・灌水設備のON・OFF・ポンプなどの設備操作・換気窓の開閉・天候の確認・設備が動いているかの確認
この中から、遠隔操作や自動化へ置き換えられるものを一つずつ減らしていきます。
重要なのは「完全自動化」を最初から目指すことではありません。
現場へ行かなければならない理由を、一つずつ減らしていくことです。
■灌水は「現場でスイッチを押す」必要をなくせる
施設園芸では、灌水は日常的に発生する代表的な作業です。
圃場へ行ってポンプや電磁弁を操作している場合、その操作のためだけに移動時間が発生します。
しかし、設備を遠隔操作できるようにしておけば、「灌水するためだけに圃場へ行く」という作業を減らすことができます。
GREEN OFFSHOREの「GO SWITCH」は、スマートフォンなどから農業設備を遠隔操作するためのシステムです。
既存設備を活用しながら後付けしやすく、灌水などの設備操作を遠隔化する選択肢として利用できます。
新規就農の場合でも、最初から大規模な環境制御設備を導入するのではなく、こうした日常的な作業から段階的に遠隔化していく方法があります。
■側窓の開閉も大きな見回り要因になる
施設園芸では、気温上昇に合わせた側窓の開閉も重要な管理作業です。
例えば、
・朝に側窓を開ける・気温が下がったら閉める・雨が来そうなので確認する
といった運用を人が行っている場合、そのために現場へ行かなければなりません。
GREEN OFFSHOREでは、側窓の開閉に対応した「GO SWITCH+(側窓モデル)」も提供しています。
GO SWITCH+(側窓モデル)https://www.greenoffshore.jp/goswitch2
側窓のように日常的に操作する設備を遠隔化できれば、見回り回数そのものを減らせる可能性があります。
これは単なる「便利な設備」という話ではありません。
異業種から農業へ参入する法人にとっては、栽培面積を増やしても管理人数を増やしすぎないための仕組みとして考えることができます。
■「今の天気」だけではなく「このあと」を判断材料にする
もう一つ重要なのが、天候の変化を事前に把握することです。
現場で空を見てから判断する方法では、急な雨や気温変化への対応が後手に回る場合があります。
そこで、設備の遠隔操作と組み合わせたいのが気象情報です。
GREEN OFFSHOREの「このあとてんき」では、これからの天候を確認し、圃場管理の判断材料として利用できます。
例えば、
天候を確認する↓圃場へ行く必要があるか判断する↓必要であれば遠隔で設備を操作する
という流れを作ることができれば、現地へ行かなくても対応できる場面が増えていきます。
気象情報だけ、自動化設備だけを単独で考えるのではなく、「予測」と「設備操作」を組み合わせることがポイントです。
■「人が判断し、機械に作業させる」だけでも変わる
農業の自動化というと、AIやセンサーがすべてを判断する完全自動化を想像するかもしれません。
しかし、最初からそこまで目指す必要はありません。
例えば、
① スマートフォンで天候を確認する② ハウスの状況を判断する③ 必要に応じて遠隔操作する
というだけでも、従来の、
① 天候が気になる② 車で圃場へ行く③ 状況を確認する④ 設備を操作する⑤ 戻る
という流れから大きく変えることができます。
判断は人間が行い、移動や単純な設備操作を機械に任せる。
これも農業の省力化です。
■新規参入では「売上」だけでなく「何人で管理するか」を考える
農業参入時には、「10aでどれだけ売上が出るか」「何年で設備投資を回収できるか」といった数字を考えることは当然です。
しかし、同時に確認しておきたいのが、「その面積を何人で管理するのか」という点です。
10aなら人力で管理できても、20a、30aと拡大したときに見回り回数まで比例して増える仕組みでは、人員も増やさなければなりません。
そのため、農業参入の初期段階から、
・現地へ行かなければできない仕事・遠隔化できる仕事・自動化できる仕事・人間が判断すべき仕事
を分けて考えておくことが重要です。
■小さな自動化から始める
農業DXは、大規模な設備を一括導入しなければ始められないものではありません。
例えば、
灌水を遠隔化する↓側窓を遠隔化する↓天候予測を確認して設備操作を判断する↓必要に応じてセンサーや自動制御を追加する
というように、段階的に進めることができます。
新規就農者にとっては初期投資を抑えやすく、法人参入の場合には、実際の運用を確認しながら設備投資を拡大できます。
大切なのは、「最新のスマート農業設備をどれだけ導入するか」ではありません。
「人が現場へ行かなければならない理由を、どれだけ減らせるか」という視点です。
■GREEN OFFSHOREのスマート農業ソリューション
GREEN OFFSHOREでは、既存の農業設備を活用しながら、後付けで導入しやすい農作業の遠隔化・自動化に取り組んでいます。
灌水などの設備を遠隔操作する「GO SWITCH」、側窓開閉に対応する「GO SWITCH+(側窓モデル)」、天候変化を確認するための「このあとてんき」など、必要な機能から段階的に導入できます。
GO SWITCH+(側窓モデル)https://www.greenoffshore.jp/goswitch2
農業への新規参入や新規就農で、
「どこまで自動化すればいいのか」「少人数で管理できる仕組みにしたい」「高額な設備を最初から一括導入するのは避けたい」
と考えている場合は、設備を選ぶ前に、まず自分の農場で「人が現場へ行っている理由」を整理してみることが重要です。


