【シクラメン・鉢物生産者向け】プールベンチや既存設備を活かす!土壌水分センシングと日射量予測を用いた「後付け自動給液」実証レポート
■ 導入
シクラメンをはじめとする鉢物栽培において、灌水(給液)のタイミングは品質や葉数、出荷時期を左右する最重要作業です。
一方で、
「プールベンチの給水はタイマー任せで、連日の曇天時に過湿にならないか不安」
「土壌水分を見たいが、高額な環境制御プラントの導入には踏み切れない」
「天候に合わせて現地でポンプやタイマーを調整する手間に追われている」
といった課題を抱えている生産者様も多いのではないでしょうか。
GREEN OFFSHOREでは、愛知県農業総合試験場(山間農業研究所・花き研究所)との共同研究プロジェクトを通じて、既存の栽培設備を活かした「後付け型の自動給液システム」の実証試験を行いました。
特にシクラメン栽培においては、定植・鉢上げ後の夏場から秋口にかけての水分管理は、過湿による軟腐病や根傷みを防ぎ、充実した株立ち(葉数・花数)を作るための最大の難所です。
今回の実証では、まさにこの管理が最もシビアになる鉢上げ後の生育ステージを対象に、プールベンチおよびC型鋼ベンチでの自動給液を行いました。
本記事では、その具体的な制御ロジックと栽培結果をご紹介します。

■ 実証内容1:プールベンチの「水中ポンプ」を後付け自動制御
国内の鉢物生産で広く採用されている「プールベンチ」では、水中ポンプを用いてベンチ内への湛水と排水を繰り返す運用が一般的です。
今回の実証では、大がかりな設備改修を行わず、既存の水中ポンプの電源部に後付け制御装置「GO SWITCH」を接続。土壌水分センサー(あぐりログ連動)の計測値に基づき、設定数値を下回ったタイミングで自動的に水中ポンプを作動させるシステムを構築しました。
主なポイント:
水分チェックを自由なタイミングで可能に: 鉢内という限られた容積量のため、水分は思ったよりも早く抜ける事があります。土壌の水分量チェックを午前中に複数回など、計測のタイミングや頻度を自由に設定可能にしています。
適時給液の実現: 根域の水分が設定値を下回った場合のみ確実に湛水が行われるため、過湿による根傷みや病気リスクを低減。
■ 実証内容2:センサー不要?「日射量予測」を活用した適正灌水
さらに本プロジェクトでは、より低コストでの実装を目指し、センサーを使わずに「日射量の予測データ」と連動させた灌水制御アルゴリズムも検証しました。
制御の仕組み:
地域の緯度補正を行った日射量予測値(1kmメッシュ)を算出。3日間の合計であらかじめ設定した基準値を超えれば通常通り灌水し、下回る(日射が少ない)場合は灌水タイミングを後にずらす自動制御を実施。
検証結果:
従来の一律な「3日おきの定期灌水」と比較して、シクラメンの品種によっては「葉数」などに明確な生育改善が見受けられました。 天候に応じた「メリハリのある水分管理」が自動で再現できた成果と言えます。
■ まとめ:既存のプールベンチ・ベンチ設備をそのままスマート化
シクラメンなどの鉢物栽培において、高品質化と省力化を両立させるために設備全体を買い替える必要はありません。
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をそのまま活かし、制御部とデータ連携(GO SWITCH+あぐりログ)を後付けするだけで、データ駆動型の精密な水分管理へ移行できます。
「自社のプールベンチ設備に後付けできるか」「日射量予測連動を試してみたい」という生産者様・営農指導員様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。



