新規就農×親元就農:実家の農業を「継いだ理由」トップ4をデータで読み解く
- ishikawa030
- 2025年12月10日
- 読了時間: 2分

「親が高齢で後継ぎがいない」が6割弱という現実
実家の農業を「継いだ理由」をデータで読み解いてみましょう。

実家を継いだ理由で最も多かったのが、
「親が高齢で、ほかに継ぐ人がいない」──58.2%。
この項目だけが突出しており、前向きなキャリア選択というより、
“自分が継がなければ終わる”という状況での承継が中心になっているのが実態です。
調査では、親元就農者が複数回答で選んだ理由のうち、次の4項目が特に高い割合を占めています。
親が高齢で後継ぎがいない:58.2%
継承する選択肢があった:34.5%
経営が順調だった:11.3%
担い手不足で依頼された:3.6%
ここから、それぞれの理由の背景を見ていきます。
1位:親が高齢で後継ぎがいない(58.2%)
この理由が圧倒的に多いことは、親元就農の構造を象徴しています。
親が高齢で経営の継続が難しい
兄弟姉妹が地元にいない
農地を放置できない
家業として途切れさせたくない
こうした状況が積み重なり、本人の意思よりも“家族の事情”が優先される継承が多くなっています。
2位:継承する選択肢があった(34.5%)
こちらは、強制ではなく「農業が普通に選択肢として存在した」パターンです。
他の職業と比較した結果として農業を選んだ
地元で働く選択肢の中に農業があった
家の状況を踏まえつつ、自分の意思も反映して決めた
1位が“義務”だとすれば、2位は“選択”。この差は、継いだ後の満足度にも影響しやすいポイントです。
3位:経営が順調だった(11.3%)
プラスの理由ですが、割合としてはあまり多くありません。
収益性が高い
営農基盤が整っている
家族経営が安定している
こうした条件がそろっていても、前向きな承継は多くないということでもあります。日本の農業が置かれている厳しい環境を反映した結果とも言えます。
4位:担い手不足で依頼された(3.6%)
割合は小さいものの、意味は重い理由です。
親族や周囲から「頼むから続けてくれ」と依頼された
地域の農地維持のために求められた
自分がやらないと困る人がいる
地域の事情や周囲の期待が、大きく意思決定に影響するケースです。
4つの理由を総合すると、親元就農は“前向きなキャリア選択”よりも、“家族・地域の事情で引き受けざるを得なかった承継”が中心であることが分かります。
必ずしもネガティブな話ではありませんが、農業を「選んだ」のではなく「引き受けた」構造が根強い以上、継いだ人が働きやすく続けやすい仕組みづくりが欠かせないということ示しているでしょう。


