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「制度を知らなかった」が3割超え? 親元就農者が陥る資金調達の落とし穴



実家が農家である「親元就農」は、土地や機械、技術がある程度揃っているため、ゼロから始める新規参入者に比べて有利だと思われがちです。しかし、最新の公的調査からは、親元就農者ならではの「油断」や「情報収集の甘さ」が、経営スタート時の大きなリスクになっている現状が浮かび上がってきました。

今回は、令和6年に公表された「新規就農者の就農実態に関する調査結果」をもとに、多くの農業者が直面している資金面での課題と、そこから見える対策について解説します。


「制度を知らなかった」という致命的なリスク


就農にあたって最も大きなハードルの一つが「資金」です。国は次世代の農業者を支えるために、「就農準備資金」や「経営開始資金」といった給付金制度(旧:農業次世代人材投資資金など)を設けています。これらは年間最大150万円が支給されるなど、経営が不安定な初期段階において非常に大きな支えとなります。

しかし、データを見ると衝撃的な事実が明らかになりました。親元就農者でこれらの資金を「受給しなかった」人のうち、なんと34.5%が「就農準備資金・経営開始資金を知らなかった」と回答しているのです。

一方で、土地もコネもない状態からスタートする「新規参入者」の場合、同じ理由で受給しなかった割合は15.5%にとどまります。つまり、親元就農者は新規参入者に比べて、制度を知らないまま機会損失をしている割合が倍以上高いのです。「実家がやっているから大丈夫」という安心感が、結果として重要な情報への感度を鈍らせている可能性があります。

経営開始資金の受給率は6割超え、しかし…

もちろん、制度をうまく活用している人も多くいます。データによると、親元就農者の64.3%が「経営開始資金」を受給した経験がある、もしくは現在受給中です。これは、経営権を継承したり独自の経営を開始したりするタイミングで、多くの人がこの資金を経営の安定化に役立てていることを示しています。

作目別に見ると、受給状況にはばらつきがあります。たとえば、設備投資がかさみやすい「酪農」では受給率(経営開始資金)が100%に達している一方、「花き・花木」では43.8%にとどまるなど、経営形態によって活用度合いには差が見られます。ご自身の作目や地域の平均的な受給状況を知っておくことは、経営計画を立てる上で重要な指標となるでしょう。


「給付要件」の壁を超えるために

資金を受け取らなかった理由として最も多かったのは「給付要件を満たさなかった」で、親元就農者の51.7%を占めています。 これには「親の経営規模が大きすぎて対象外になった」「所得制限を超えていた」などの理由が含まれますが、中には「事前の準備不足で要件クリアのタイミングを逃した」というケースも少なくありません。

特に、研修期間中を支援する「就農準備資金」に関しては、親元就農者の受給経験者はわずか13.3%にとどまります(新規参入者は単独受給だけで7.4%、両方受給を含めるとさらに高い割合です)。親元であっても、しっかりとした研修計画を立てれば活用できる制度があるにもかかわらず、検討の遡上にすら上がっていない可能性があります。


まとめ:情報は「待っていても来ない」


今回のデータから見えたのは、農業技術の継承と同じくらい、あるいはそれ以上に「経営・制度に関する情報収集」が重要だという現実です。 「農業 失敗理由」の上位には、しばしば資金繰りや計画の甘さが挙げられます。しかし、利用できる制度を知らずに苦労することは、情報のアンテナさえ張っていれば防げるリスクです。

これから就農を考えている方、あるいは代替わりを控えている方は、地元の普及指導センターや農業委員会、JAなどに早めに相談し、「自分はどの制度が使えるのか」を確認することから始めてみてください。その一歩が、数年後の経営の安定を左右することになるでしょう。

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