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新規参入者3,750人の実態から見る 就農初期に必要な経営体制づくり


新規就農というと、栽培技術を身に付けたり、農地や施設を準備したりすることを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、実際に農業経営を始めると、それ以上に大きな負担となるのが「経営判断」です。

作付計画を立て、資材を発注し、資金を管理し、販売先との調整を行い、繁忙期には現場作業にも対応する。就農初期の経営責任者は、多くの役割を同時に担うことになります。

では、新規参入した人の多くは、どのような立場で農業を始めているのでしょうか。

今回は、農林水産省「令和6年新規就農者調査」をもとに、新規参入者の実態から、就農前に考えておきたいポイントを整理します。


新規参入者の約9割は「経営責任者」

令和6年の新規参入者は3,750人でした。

このうち、経営の責任者は3,330人で全体の約88.8%、共同経営者は420人で約11.2%となっています。

この結果から分かるのは、新規参入者の多くが、最初から経営判断の中心を担う立場として就農しているということです。

農業経営では、栽培管理だけではなく、資金繰り、設備投資、販売、出荷、労務管理など、多くの判断が求められます。就農直後は経験も十分ではない中で、これらを同時に進めなければならない場面も少なくありません。

もちろん、この調査だけで経営の負担の大きさを直接示すことはできません。しかし、経営責任者が全体の約9割を占めているという事実は、多くの新規参入者が経営全体を担う立場でスタートしていることを示しています。


新規就農の中心は30〜40代

年齢別に見ると、最も多いのは40〜49歳の1,120人、次いで30〜39歳の1,020人です。

49歳以下は2,560人で全体の約68.3%を占めていますが、その中心は20代ではなく30〜40代です。

30〜40代は、会社員や他業種での経験を経て農業へ挑戦する人も多い年代です。一方で、住宅ローンや子育て、家族の生活など、多くの責任を抱えているケースも少なくありません。

そのため、農業技術だけでなく、経営計画や資金計画、役割分担まで含めて準備することが、就農後の負担軽減につながると考えられます。


共同経営という選択肢も見えてくる

共同経営者は420人でした。

その内訳は、男性160人、女性240人で、共同経営者では女性の人数が男性を上回っています。

ただし、この調査から共同経営者の役割までは分かりません。また、共同経営者には、夫婦で就農した場合の配偶者だけでなく、法人を共同設立した共同経営者も含まれています。

重要なのは、「誰が経営判断を行い、誰が現場を担当し、誰が販売や事務を担当するのか」を就農前から整理しておくことです。

役割が明確になっていれば、経営責任者一人に負担が集中するリスクを減らしやすくなります。


就農前に考えておきたい3つのポイント

1.経営責任者が抱える仕事を書き出す

栽培だけでなく、資材管理、販売、経理、設備管理など、経営責任者が担う業務を書き出してみましょう。負担が集中する部分が見えてきます。

2.役割分担を決めておく

家族や共同経営者がいる場合は、それぞれの担当を事前に整理しておくことが重要です。経営判断まで一人で抱え込まない体制づくりが、長く農業を続けるための土台になります。

3.省力化できる作業は早めに検討する

灌水、換気、環境管理、記録作業など、毎日繰り返す業務は、省力化できる可能性があります。すべてを自動化する必要はありませんが、設備更新や導入のタイミングで選択肢として考えておくことで、将来の負担軽減につながります。


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就農初期は、経営判断と現場作業の両方を担う場面が多く、経営責任者へ負担が集中しやすい時期です。そのため、役割分担だけでなく、日々の作業を効率化する視点も重要になります。

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