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令和5年の新規雇用就農者、非農家出身が8割超 新規学卒就農者は20代以下に集中


令和5年の新規雇用就農者数を見ると、農業の雇用就農がすでに家業の枠を超えた人材によって支えられていることが分かる。今回のデータでは、非農家出身の新規雇用就農者は8,100人に達しており、雇用就農全体の中でも極めて大きな比重を占めている。

これは、農業の担い手が「農家の子」だけで構成される時代ではなくなっていることを意味する。農業はもはや家業の内部で人材を回すだけの産業ではなく、外部から人を受け入れる産業として機能している。雇用就農という形態は、その変化をもっとも端的に示す入口だといえる。


■年齢構成を見ると、雇用就農の中心は若年層から中堅層にある

非農家出身の新規雇用就農者を年齢別にみると、20~29歳が2,530人と最も多く、次いで40~49歳が1,720人、30~39歳が1,480人となっている。15~19歳も450人おり、49歳以下の合計は6,180人に達する。全体8,100人のうち、約4分の3が49歳以下という計算になり、雇用就農が若年層から中堅層を受け入れる経路として機能していることがはっきり見て取れる。

一方で、50~59歳は1,000人、60~64歳は350人、65歳以上は570人となっており、高齢層も一定数存在はするものの、中心は明らかに49歳以下にある。自営就農のように高齢層が主力になる構造とは異なり、雇用就農はより一般の労働市場に近い年齢分布を持っている。


■新規学卒就農者はさらに若年層へ集中している

この非農家出身者の内訳として注目されるのが、「新規学卒就農者」である。人数は1,280人で、そのすべてが49歳以下に含まれている。さらに内訳を見ると、15~19歳が410人、20~29歳が830人、30~39歳が50人であり、40代以上はゼロである。

つまり、新規学卒就農者は雇用就農の中でも特に若い層に集中しており、実質的には10代後半から20代が中心となっている。15~29歳だけで1,240人に達し、新規学卒就農者全体の大半を占める。この点は極めて重要である。若くして農業に入る人材は確かに存在しているが、その多くは「非農家出身で、雇用という形で入っている」のである。


■非農家出身の中でも、新規学卒就農者は一部にとどまる

もっとも、非農家出身者全体8,100人のうち、新規学卒就農者は1,280人である。つまり、非農家出身の雇用就農者の大半は学卒直後ではなく、別の経路で農業に入ってきていることになる。20~29歳には学卒就農者が多いが、それだけで全体を説明することはできない。

この点から見えてくるのは、農業の雇用就農が単なる新卒採用だけで成り立っているのではなく、ある程度年齢を重ねた人材も含めた広い受け皿になっているということである。若い人材の入口として新規学卒就農者は重要だが、それだけでは農業の人材供給全体を支えてはいない。


■農業は「継ぐ産業」から「入る産業」へ変わりつつある

こうした構造を踏まえると、農業はすでに「継ぐ産業」から「入る産業」へと性格を変えつつあるといえる。特に雇用就農では、非農家出身者が主役であり、新規学卒就農者はその中の若年層の入口を担っている。

今後の担い手政策を考える上で重要なのは、後継者不足という従来型の見方だけでは不十分だということである。農業の人材確保は、家業の継承ではなく、外部から人が入ってきやすい構造をいかに整えるかという問題に移っている。雇用の場をどう増やすか、若年層が安心して入れる職場環境をどう整えるかが、今後ますます重要になる。


こうした人材の受け入れを進めるうえで、見落とせないのが設備導入時の初期費用である。導入コストを抑えることも、現場に関わる上で重要な判断の一つとなる。例えば、愛知県豊橋市の「アグリテック導入支援補助金」では、GO SWITCH等の導入に対して補助率1/2(上限50万円)が適用される。

このような支援制度は各自治体で整備されており、内容も随時更新されている。初期投資を前提として諦めるのではなく、活用可能な制度を前提に導入を設計することで、設備導入や現場改善のハードルは現実的な水準まで下げることができる。最新の公募情報を継続的に確認し、利用できる支援を確実に取り入れていくことが重要である。

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