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「生計が立たない」が6割以上? 稼げる作目と厳しい現実の分かれ道


「自然の中で自分らしく働きたい」「食を支える仕事がしたい」。 そんな想いで農業の世界に飛び込む人は少なくありません。しかし、就農相談の現場でよく耳にするのは、「実際に始めてみたら、思った以上に稼げない」「貯金が底をつきそうだ」という切実な声です。

農業は自然相手の素晴らしい仕事である一方、シビアな「経営」でもあります。 今回は、全国農業会議所が公表した最新の「新規就農者の就農実態に関する調査結果」をもとに、先輩就農者たちが直面した**「生計が成り立つまでの年数」と「作目ごとの厳しさ」**をランキング形式で確認していきます。

これから就農を考える方が、理想と現実のギャップに苦しまないよう、まずはデータから見える「リスクの所在」を押さえておきましょう。


【現実①】「生計が成り立っている」のは半数以下? 作目による残酷な格差


まず直視すべきは、「農業だけで食べていくことの難しさ」です。 調査によると、就農後に農業所得だけで生計が成り立っている人の割合は、作目(育てる作物)によって大きな開きがあります。

以下の図は、主な作目別に「生計が成り立っている割合」をランキングにしたものです。

▼ データから読み取れるポイント

  • 「50%の壁」が高い: 生計成立率が50%を超えているのは「酪農(70.8%)」、「その他耕種作目(54.5%)」、「施設野菜(50.7%)」のみです。これらは設備投資額が大きい傾向にありますが、その分、収益化の道筋が見えやすいとも言えます。

  • 露地野菜・果樹の難しさ: 一方、参入障壁が比較的低いとされる「露地野菜」や、人気の高い「果樹」は、生計が成り立っている割合が30%台にとどまっています。天候リスクを受けやすいことや、果樹の場合は収穫まで数年かかる特性が影響していると考えられます。

「自分は野菜が好きだから」という理由だけで作目を選ぶと、6割以上の確率で「農業だけでは食べられない」という現実に直面するリスクがあることが分かります。

【現実②】「石の上にも3年」は通用しない? スタートダッシュの重要性

次に、「生計が成り立つまでに何年かかったか」というデータを見てみましょう。 一般的に「農業は技術習得に時間がかかるため、長い目で見るべき」と言われます。しかし、データは少し違った側面を映し出しています。

▼ データから読み取れるポイント

  • 1・2年目が最多: 生計が成り立つようになった人のうち、最も多いのが「1・2年目(237人)」での達成です。

  • 時間が経つほど所得が伸び悩む傾向: 興味深いことに、生計確立までに「5年以上」かかった層よりも、「1・2年目」で確立した層の方が、現在の平均農業所得が高い(442万円)という結果が出ています。

ここから推測できるのは、「時間をかければ自然と稼げるようになるわけではない」という事実です。 早期に軌道に乗せた人は、就農前の準備(資金・農地・販路確保など)が入念であったり、高収益が見込める設備投資を行っていたりする可能性が高いでしょう。逆に、準備不足のままスタートし「走りながら考える」スタイルだと、低空飛行の期間が長引き、結果として5年経っても所得が低迷するリスクがあります。


どこで「備え」をするべきか

今回のデータが示唆しているのは、以下の2点です。

  1. 作目選びは「経営シミュレーション」そのものである 露地野菜や果樹を選ぶ場合は、収入が安定するまでの数年間、どうやって生活費を賄うか(兼業や運転資金の確保)を、他の作目以上にシビアに計画する必要があります。

  2. 就農前の「準備」がその後の10年を決める 「とりあえず始めてみて、3年くらいで形になれば」という甘い見通しは危険です。1・2年目で結果を出すつもりで、就農前に技術習得と資金計画を完璧に仕上げておくことが、生存率を高める鍵となります。

新規就農は、夢を追う挑戦です。しかし、その夢を持続可能なものにするためには、「借金」や「赤字」のリスクを直視し、数字に基づいた経営判断を下す冷静さが不可欠です。 これから就農計画書を作成する方は、ぜひこのデータを参考に、「最悪のケース」にも耐えうる資金計画を練ってみてください。

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