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1年未満で就農する人は◯割。年齢別データが示す“準備期間のリアル”


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「農業を始めたい」と考えてから、実際に就農するまでにどのくらい時間がかかるのか。これは、新規就農を目指す人の多くが最初に抱く疑問だろう。

この記事では、全国農業会議所の「新規就農者の就農実態に関する調査」データを使って、新規就農者が「準備期間のリアル」を数字で整理します。


■1年未満で就農する人はどの年代でも2〜3割いる


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まず目に付くのは「1年未満で就農した人」の多さだ。

  • 29歳以下:28.4%

  • 30~39歳:24.7%

  • 40~49歳:20.6%

  • 50~59歳:22.2%

  • 60歳以上:25.6%

最も多いのは29歳以下の若者だが、若者だけが即断即決で動くわけではない。60歳以上でも4人に1人が1年以内に就農しており、「短期決断組」は全年代に一定数存在している。



■ 一方で、「5年以上かかった人」はどの年代も1割前後

次に目立つのは、準備期間が極端に長い層が少ないことだ。

  • 29歳以下:8.8%

  • 30~39歳:9.4%

  • 40~49歳:10.1%

  • 50~59歳:8.3%

  • 60歳以上:11.6%

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“10年近い準備が当たり前”といったイメージを持つ人もいるが、実際には5年以上かける人はどの年代も1割前後にとどまっている。多くの人は 1~5年の範囲で就農に踏み切っている のが実態だ。


■ 50代・60代は中間層(1.5〜2年・3〜5年)がやや厚い


年代別の傾向を見ると、50代・60代は「1年半以上2年未満」「3年以上5年未満」が少し高い。

特に60歳以上は「1年半以上2年未満」が34.9%と突出している。ただ、それでも分布全体を見れば、極端な年代差があるわけではない。

調査報告書でも、「全体として年代による大きな違いは見られない」と結論づけられている。

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■ 前回調査より“準備に2年以上かける人”が減少


今回の調査で特に注目すべきは、前回との比較だ。

報告書によれば、「就農までに2年以上かける割合」が全体で減少 している。

特に60歳以上ではその傾向が顕著だ。

  • 前回調査:71.5%が「2年以上」

  • 今回調査:34.8%まで低下

高齢層でも、長く準備に時間をかけるのではなく、決断したら比較的早期に就農するケースが増えていると読める。


■ 結論:準備期間は“年齢で大きく変わらない”。現実的な目安は1〜3年

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以上を踏まえると、次のようにまとめられる。

  • 1年未満で就農する人はどの年代にも2〜3割

  • 5年以上かかる人は少数派(約1割)

  • 年代差は小さく、全体的に分布はなだらか

  • 多くの人は1〜3年前後で就農に至っている


これから就農を考える人にとって、「おおよそ1〜3年が現実的な準備期間の目安」と理解するのが現実に近い。

研修、設備整備、資金調達、販路づくり――これらを逆算してスケジュールを組むと、無理のない就農計画を描けるはずだ。


※本記事のデータは、全国農業会議所『新規就農者の就農実態に関する調査結果(2021年度)』(https://www.be-farmer.jp/uploads/statistics/YV447s7CQjwBYJ3OtEht202203231858.pdf)および2013・2016年度調査の集計表をもとに作成しています。


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