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【活動報告】旭川の育苗ハウスで実感した「遠隔アップデート」の真価。Local Innovation Challenge Hokkaido 2026を経て

ビニールハウスイメージ図
ビニールハウスイメージ図


  1. 農業の「1シーズン」という呪縛


農業の世界には「1年に1回しかチャンスがない」という、抗いようのない定説があります。 もちろん、この「1年1サイクル」という時間の流れには、じっくりと課題に向き合い、試行錯誤を深めていけるという、研究開発におけるメリットも確かに存在します。


しかし、その裏側には大きなデメリットも潜んでいます。 機械の制御が現場の感覚に合わなかったり、不具合が発生したりした際、その修正に数ヶ月を要してしまえば、気づいた時には収穫期が終わっています。その「改善」が日の目を見るのは、早くても1年後。


この「ハードウェアの重さ」と「時間の不可逆性」が、現場の進化を阻む大きな壁となっていました。




  1. Local Innovation Challenge Hokkaido 2026:旭川での挑戦


私たちは昨年度より、「Local Innovation Challenge Hokkaido 2026」に参画し、北海道旭川市にて「水稲育苗ビニールハウスの温度管理」というテーマに取り組んできました。


今年の4月初旬、実際に旭川市の現場へ飛び、機器の設置を行いました。 幸運だったのは、実際の苗を入れて育苗が始まる4月下旬までの間に、「3週間」という貴重な調整期間が持てたことです。 通常、こうした実証事業では、設置と同時に本番運用(植物が入った状態)が始まってしまうことが少なくありません。


生きている植物が相手となると、大胆な制御テストを行うことは難しくなります。しかし今回は、植物が入る前の「空」の状態で実際の温度遷移を観察し、パラメータを微調整することができました。この余裕があったことは、プロジェクトにとって大きなアドバンテージとなりました。




  1. 本番運用で直面した、現場とプログラムの「ズレ」


しかし、細心の注意を払って調整したつもりでも、実際の育苗が始まり、刻一刻と変わる現地の気候に直面すると、私たちの至らなかった点が浮き彫りになりました。


  • 温度追従の遅れ: 急な日差しでハウス内の温度が上がった際、側窓の開きが鈍く、大切な苗が焼けてしまうリスクがありました。


  • ハンチング(ノコギリ波)現象: 指定温度付近で窓が細かく開閉を繰り返してしまい、温度グラフがギザギザに。これはモーターへの負担増だけでなく、植物へのストレスにも繋がります。


  • 窓が閉め切らない: プログラム上の計算と実機の動きにわずかな乖離があり、窓が完全に閉まりきらない事象が発生しました。北の大地の冷気が入り込む、非常に危険な状態でした。


従来の農業機械なら、ここで「今年の作柄は諦める」か、「メーカーの技術者が飛行機で飛んでくるのを数ヶ月待つ」しかありませんでした。



  1. 静岡からクラウド経由で「1週間」のスピード修正


ユーザー目線に立ちきれず、現地の気候に完璧にフィットした制御をご提供できなかったことは、私たちの大きな反省点です。 しかし、この事態を救ったのは、弊社の強みである「クラウドによる遠隔アップデート機能」でした。


私は静岡県浜松市のオフィスにいながら、クラウド経由で旭川のデバイスのソースコードを直接書き換えました。 窓の閉め切り問題に対しては、全閉・全開時に物理的なリミットスイッチまで確実に動かしきるロジックへと改良。さらに、温度追従とハンチングに対しては、日射量の影響をリアルタイムに加味する先回り制御を組み込みました。


ご指摘からわずか1週間。現場へ足を運ぶことなく、静岡からの「知能の送信」だけで、制御の最適化を完了させました。 後日、現地を確認した担当者様からも、「現場の問題は解消され、農家さんもバッチリ動いていると言っている。もう直っていて、やる事がなくなったよ」という言葉をいただき、改めてこのスピード感の重要性を痛感しました。




  1. 既存メーカーが抱える「構造的ジレンマ」と私たちの役割


なぜ、素晴らしい「ハードウェア」を持つ大手メーカー様が、私たちのような小さなスタートアップに相談に来てくださるのか。そこには、業界が抱える避けられない「構造的ジレンマ」があると考えています。


多くの大手企業は、全国のディーラー網を通じた手厚い保守体制を維持しています。しかし、その強固なコスト構造は、同時に「手頃な価格で、常に最新のソフトウェアを届け続ける」という、今の現場が求めているアセットライト(持たざる)な領域への参入を難しくしています。


また、数年に一度の大規模なシステム刷新を前提とする開発サイクルでは、現場から上がる「ちょっとした違和感」を即座にプログラムへ反映させることは物理的に不可能です。


私たちは、既存のメーカー様と競合したいわけではありません。彼らが誇る「絶対に壊れないハードウェア」に、私たちの「即座に進化する知能(ソフトウェア)」をアドオンする。この役割分担こそが、これからの農業DXにおける最短ルートだと確信しています。



  1. 共に農業インフラをアップデートするパートナーを募集しています


今回の経験を通じて、現場の確かな「ハードウェア」と、即座に進化できる「ソフトウェア」が組み合わさることの価値を再認識しました。


GREEN OFFSHOREでは、今後さらに活動を加速させるため、公募事業などにおいてコンソーシアム(共同事業体)を組んでいただけるパートナー企業様を募集しています。


「自社の既存設備を、遠隔アップデート可能なスマート機器にアップグレードしたい」


「現場の課題を即座に解決できる、スピード感のある開発体制を構築したい」


私たちの技術や思想に興味を持ってくださる企業様がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。 それぞれの強みを持ち寄り、日本の農業現場をより身軽に、よりスマートにアップデートしていきましょう。




「GO SWITCH」は、農業向けに特化した自動化サービスです。私たちのサービスを利用することで、効率的な農業管理が可能になります。今すぐ資料請求をして、あなたの農業を次のステージへ進めましょう!サービスページをご覧いただき、詳細をご確認ください。

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